「迷わず止める」は後から確立したの?

JR西新幹線重大インシデントに係る有識者会議社外委員からの外部評価の受領についてという報道発表。

この中で、「取り組みの評価と課題」という項目がある。その③に引っかかった。

〝安全方針の周知現場の判断を最優先することや、安全を確認できない時は「迷わず止める」という方針が、新幹線運行にかかわる社員の共通認識として浸透しつつあることは評価される。社長をはじめとする経営層が繰り返しメッセージを発したことが意識の定着を促したと考えられる。ただ、こうした当たり前のことが、会社発足以来30年も経つにもかかわらず、今回の事態が起こるまで未だ十分には確立していなかったことは、安全が最優先されるべき鉄道会社として強く反省される必要がある〟

「迷わず止める」が、まるで本件が出来した後に確立された方針のように読み取れるのだが、「迷わず止める」は、斉藤雅男さんが東海道新幹線運行の陣頭指揮に立っていた開業直後の精神だったのではないだろうか?

思いがけぬ不安。

新鳥栖〜武雄温泉のフル規格新幹線着工に目処が立たず、当面は在来線特急との乗換駅となる武雄温泉駅。まさに新潟駅の5番線/〝乗換ホーム〟と同じように、在来線特急の新幹線側にホームを設け、対面乗換を可能にするよう、既に図面も公表されている(→長崎県による暫定開業合意文書添付資料)。

ところが一昨日、JR九州社長が会見で妙なことを口走った。いや、メディアが社長の意図を汲み取らずに意味不明な記事を書いたのかもしれない。曰く、

「高架と高架(の高さ)をうまく合わせることができないかと協議している」(佐賀新聞・長崎新聞)

ええっ?そんなの大前提じゃ無かったの?今さら高架橋の高さが合わないからどうしよう と思ってるとか、あり得る話なのだろうか?たしかに、元々はフル規格が前提で、対面乗換は〝降って湧いた話〟なので、高さが合わない設計にしていても不思議ではないのだけど。

対面乗換の利便性をアピールするため、単に社長が徐々に手の内を明かす芸を披露しているだけなのかもしれないが、不安をそそる。

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JR九州と言えば、グループ中期経営計画2019-2021が公開された。

場末ホーム。

新潟駅高架ホーム工事用地確保のため、東側に8/9番線を増設した。一次開業にこぎつけたものの、まだ1番線が未完成なので線路容量が不足。この8/9番線は未だに使用中だ。特急を含め、白新線・信越線の列車が発着する。

新幹線を含む高架ホームからの乗換は、とてつもなく不便だが、万代口に階段を使わずアプローチできるのは悪くない。

1番線部分を継ぎ足すため、鉄筋が剥き出しの高架橋を見上げる。

その高架ホームについて一つ付け加え。ホーム長は10連対応。

半分ホーム。

新潟駅2番線の話。将来北側に1番線が来る予定だが、まだ未完成で、断崖絶壁状態。そういうわけで、現状ではホームが半分しかない。

2番線に停車するE129系近郊形直流電車。

ホーム下が丸見え。1番線部分を施工中なのだが、営業線近接工事なので、監視員さんがいる。


アーチ状のホーム屋根も、北側をこれから継ぎ足さなければならず、未完成だ。

外から見ると怖い。

新潟駅新2番線へのアプローチにエレベーターもエスカレータも無い話。

もちろん階段はある。どうやって付けたか、階段を登ってホームに行けばいいんだけど、それでも全体の構造上どうなっているかを、内側から認識するのは難しい。

で、外から見る。

拡大。

外壁にV字でへばりついているのが階段部分である。

暫定的措置。

在来線高架化事業の第1期が完成した新潟駅の在来線改札内コンコース。

この部分は完成形なのだが、ここへのアプローチがまだ仮設状態。万代口からはかなり歩くし、8/9番線に至っては・・・・。

最終完成までは1番線がなく、2番線から使えるのだが、ホームの半分がまだ未完成なのだから、コンコースからのアプローチも仮設。エレベータもエスカレータもなく、御茶ノ水駅のお茶の水橋口で最近まで使っていた、車椅子用のリフトが取り付けられている。

続く。

ナンチャッテ対面乗換え。

新潟駅。『いなほ』と『とき』の平面乗換が可能になって以来、初めての訪問。

「平面乗換え」と書いたのは、新幹線鹿児島ルート暫定開業時の新八代のような完全なる対面乗換とは程遠いシロモノだからだ。

〝のりかえホーム〟と、『いなほ』の発着する5番線とは、改札口で隔てられている。これがホーム上に2箇所あるが、乗客はそこまで歩いて移動することを強いられるわけだ。改札口を設ける弁明はいくらでも思いつくのだろうが、かつて完全対面乗換を実施した会社もあるわけだから、要はやる気の差か。

長い目で見ろ。

JR北海道が、北海道新幹線開業3年間のあゆみという報道発表。

新幹線の輸送実績が、開業ブームが去るにるれて落ち込んでいる状況が示されている。メディアはこの部分だけに食いついたし、JR北海道にしても窮状を訴えたい気持ちはあるだろう。

メディアとしては、余計な事を言っていないで、新幹線を札幌まで早期に延伸させる予算をつけない政治を糾弾した方が良いぞ。実際その通りなのだから。

トンネル掘削(だけ)は進むよ。

鉄道・運輸機構から羊蹄トンネル比羅夫工区掘削工事安全祈願祭のお知らせがあった。長万部〜倶知安間の9790m。全体を2つの工区に分け、今回は札幌方が着工の運びとなった。

何十回書いたか分からないが、地上区間の工事はまだである。